Trends in hospitalizations for asthma during the COVID-19 outbreak in Japan
J Allergy Clin Immunol Pract . 2021 Jan;9(1):494-496.e1. doi: 10.1016/j.jaip.2020.09.060.
AbeらはCOVID19流行期の日本における全国の喘息の入院患者の経年的変化をDPCデータから調査した。
その結果 2017-19年までと比較して2020年の喘息入院患者の平均人数は優位に減少 (78.3 vs 229.9; crude reduction rate, 66.0%; aIRR, 0.45; 95% confidence interval [CI], 0.37- 0.55; P < .001) この傾向は成人でも小児でも同様であった。
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喘息患者の入院が減少している要因として3つの可能性を挙げている。
個人レベルの衛生(外出を避ける マスクを着用する)が喘息発作の強い誘因であるウイルス感染やアレルゲン(花粉、大気汚染)への暴露をへらした。 さらに、当初COVID-19の拡大が喘息増悪を増加させるかもしれないという危機感から、本人、家族が禁煙や治療薬へのアドヒアランスの改善といった行動変容を起こした可能性
社会レベルでのCOVID19に対する予防的対応(休校、大勢で集まることの制限、リモートワークの励行)が他のウイルス感染も抑制した
経済的シャットダウンによる交通量の減少や工場の閉鎖などに伴うレベルでの大気汚染の改善の可能性
ただし、3つ目の説については外出を控えるよう要請されている東京でのPM2.5やNO2の低下はわずかであるため、喘息入院患者減少を説明するには不十分としている。
今回の研究結果は医療者にとって喘息患者を取り巻く環境要因の重要性を再認識するものである